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クラフトビールOEM 小ロット完全ガイド〜100本からオリジナルクラフトビールを作る方法〜

読了目安 15分

クラフトビール100本から始められる小ロットOEMとは?

オリジナルクラフトビールの製造には、大きな投資や手間が必要だと思っている人は多いでしょう。しかし、ビールメーカーに製造を委託する「OEM」という方法を活用することで、100〜200本ほどの小ロットから手軽にオリジナルクラフトビールを作ることができます。100〜200本なら、イベントやキャンペーンでの配布に最適かつ、ECサイトなどでのテスト販売の場合は売れ残るリスクを最小限に抑えられます。委託醸造なので、自社の設備投資や醸造免許の取得は不要。小ロットOEMは、ビールビジネスのスタートラインとして現実的な選択肢といえます。

クラフトビール小ロットOEMのメリット

  • 費用を抑えられる:ビール200本の製造なら、8万円〜20万円(プラス配送料・ラベルデザイン費)が相場です。
  • 失敗のダメージが小さい:仮に全く売れなかったとしても、損失は大きくありません。リスクが低いぶん、新規事業として提案しやすくなります。
  • テストマーケティングができる:完成度の高い「実物」を販売することで、サンプルやアンケートでは分からない、実際の購買行動を観察できます。
  • 在庫を抱えにくい:100〜200本なら、消費期限が切れる前に完売する可能性が高いです。
  • 季節限定・イベント限定に挑戦しやすい:小ロット製造なら、「春だけの桜エール」「夏だけのマンゴーIPA」のような期間限定販売を気軽に企画できます。
  • 醸造知識がいらない:OEMメーカーはビールづくりのプロなので、こちらに知識がなくても、レシピ開発から品質管理まで安心して任せられます。

クラフトビール小ロットOEMのデメリット

  • 製造単価が高くなりやすい:小ロット製造はスケールメリットを得られないため、ビール1本あたりの製造単価が高くなりやすい傾向があります。
  • 対応メーカーが限られる:小ロットの対応ができないOEMメーカーもあるため、依頼先が限定されます。
  • ラベルデザインの選択肢が限定される:小ロット製造の場合、ラベルはシュリンク方式(熱収縮するフィルムを缶に被せ、熱を加えて固定する方法)か、耐水性のあるシールにデザインを印刷して貼り付ける方法が一般的。大手ブランドのようなラベルを缶に直接印刷する方法は選択できない可能性が高いです。

オリジナルクラフトビールの小ロットOEM製造の流れ

オリジナルクラフトビールのOEM製造は、一般的に2~3か月の期間をかけて、5つのステップで進みます。小ロットの場合は、発注から1か月ほどで納品となるケースもあります。各ステップで何をやるのか、どのような判断が必要なのかを把握しておきましょう。

STEP 1:初回相談・コンセプト企画

まずはOEMメーカーに問い合わせ、相談しながらコンセプトを企画します。オリジナルクラフトビールを作る目的や、「こんなビールを作りたい」というイメージを伝えましょう。さらに、ターゲット層や予算、販売チャネル、ノベルティの場合は配布方法、ラベルのデザインなどをすり合わせていきます。

STEP 2:レシピ設計・試作

コンセプトに合わせて、ブルワーがレシピをゼロから設計、あるいは既存スタイルのカスタマイズを提案します。「爽快感重視」「麦の香りを活かす」「フルーティな後味」「黒ビールのコク」など、ターゲットと販売シーンに最適なスタイルを仕上げていくステップです。ビアスタイルや原料、アルコール度数、ホップの種類や量も決めていきます。試作醸造が可能なメーカーの場合は、この段階で少量の仕込みを行い、実際に飲んでみてレシピを微調整していきます。

STEP 3:ラベルデザイン制作

ビールの顔となるラベルデザインは、売上を大きく左右する重要なポイントです。缶なら360度全面にデザインを入れることができます。ラベルに詰め込むべき情報は、ロゴ、ブランドカラー、キャッチコピー、商品名、アルコール度数、容量、原材料、製造者情報、バーコードなど。OEMメーカーにラベルデザインを依頼する場合は、デザイン費として5万円〜15万円ほどかかるケースがあります。

STEP 4:本醸造・充填・品質検査

いよいよビールづくりの開始です。仕込みから発酵・熟成、充填、品質検査まで、基本的に全工程を委託先に任せることができ、必要な期間はビアスタイルによって異なります。ラガーよりもエールのほうが醸造期間は短くなります。

STEP 5:納品・物流手配

完成したビールを指定場所に納品してもらいます。ビールが傷まないように、クール便での配送となるケースが多いです。

POINT

製造期間を短縮するコツ

  • メーカー既存のレシピをベースにカスタマイズする
  • 試作をしない
  • ラベルデザインを作成しておく
  • ビールの味やラベルデザインなど、メーカーからの承認依頼を早めに返す

クラフトビールOEMの費用相場

オリジナルクラフトビールOEMの費用は、製造量やレシピ、ラベルデザイン、配送距離など複数の要素によって決まります。ここでは費用の相場をご紹介します。

項目費用相場
初回開発費0円~50,000円
ビール1本あたりの製造費400円~700円
ラベル1枚あたりの印刷・貼付費0円~50円

ビール200本を開発・製造する場合は、8万円〜20万円が相場となります。加えて、距離に応じた配送料や、ラベルデザイン費がかかるイメージです。ラベルデザイン制作費は開発費に含まれている場合と、別途で5万円〜15万円ほどかかるケースがあります。

費用を抑えるコツ

オリジナル缶ビールの製造費用を少しでも抑えたい場合は、下記の方法を試してみましょう。

既存レシピをベースに醸造してもらう
完全オリジナルのレシピより、メーカーの既存スタイルをベースに軽くカスタマイズするほうが、開発コストが安くなりやすいです。また、基本的に副原料はシンプルなほど単価が安く、フルーツやハーブなどを多数使用する場合は単価が高くなります。
ラベルデザインを自社で制作する
Canvaなどのツールを使用してラベルデザインを自社で制作すれば、デザイン費用を削減できる可能性があります。ただ、ラベルはビールの顔となる大切な部分なので、最終的にはプロにチェックしてもらいましょう。
段階的にロットを大きくする
まずは100〜200本ほどの小ロットで市場検証を行い、反応が良い場合は500本、そして1,000本と同じメーカーでロットを大きくしていきます。ロットが大きくなるほど単価が下がりやすいため、在庫を抱えるリスクを回避しながら段階的に費用を抑えることが可能です。また、2回目以降の依頼は開発費が不要になるなど、メーカーによっては費用がぐっと安くなることもあります。

味づくりのポイント|代表的なビアスタイルとオリジナリティの出し方

小ロットOEMでも、味のクオリティに妥協する必要はありません。むしろ、大手メーカーには真似できない個性的な味づくりが可能です。「どのビアスタイルが良いか分からない」という場合は、OEMメーカーにターゲット層や販売チャネル、味の方向性を伝え、最適なスタイルを提案してもらいましょう。

代表的なビアスタイルと特徴

  • IPA(インディア・ペール・エール):ホップの華やかで強烈な香りと苦味が特徴。個性が強く、クラフトビール愛好家やマニア向けのスタイルです。
  • ペールエール:苦味と香りのバランスが取れた、万人受けする飲みやすいスタイル。ビール初心者を含めた幅広い層に飲んでほしい場合に選ばれることが多いです。
  • ヴァイツェン(小麦ビール):小麦由来のフルーティさとバナナのような香りが特徴。苦味控えめで飲みやすく、女性にも人気です。地元の小麦を使用することで、地域ブランディングにもなります。
  • ピルスナー:飲食店の定番ビールとしても普及している、日本人が最も飲み慣れたビアスタイル。「何杯も飲みたい」と思える爽快感やキレが強みで、食事との相性も良い味わいです。
  • 黒ビール(ポーター、スタウト):見た目のインパクトやストーリー性が強く、限定感を出しやすいスタイルです。甘く深みがある味わいが特徴。

オリジナリティを出すためのアプローチ

地域の素材を活用する
地元の特産物(柚子、みかん、抹茶、蜂蜜、和栗など)をビールの副原料として使用する、差別化しやすい方法です。「地元産の○○を使ったクラフトビール」として、道の駅やアンテナショップでの販売はもちろん、ふるさと納税にも向いています。SNS映えもしやすく、インスタグラム発信の素材にもなります。
ホップの品種選定で香りを演出する
同じIPAでも、爽やかな柑橘系、花のようなフローラル系、華やかなトロピカル系など、ホップ次第で全く別の香りに仕上がります。ホップにこだわりポイントを作ることで、飲食店のメニュー説明やEC販売の物語性が深まります。
熟成で唯一無二の味わいを作る
ウイスキーやワインの樽で熟成させる、バレルエイジドビールという選択肢もあります。製造期間やコスト面からハードルが高いスタイルですが、小ロットなら挑戦しやすく、特別感も演出できます。価格を高めに設定して、プレミアム商品として販売することも可能です。

小ロットOEMのオリジナルクラフトビール活用例

オリジナルクラフトビールの小ロットOEMで自社の目的を達成するためには、「小ロットならではの価値」を訴求することが大切です。ここでは、様々な活用例をご紹介します。

①飲食店が看板ビールとして提供

バーやレストランなどの飲食店が、200~300本の店舗オリジナルクラフトビールを定期的に製造・提供。「今、ここでしか飲めない」という限定感が来店やリピーター形成の武器になります。クラフトビールは通常のビールよりも単価を高く設定しやすいため、売上の向上も見込めます。

②企業ノベルティ・記念品として配布

企業の周年記念や新サービスローンチのイベント、展示会、キャンペーンなどで200~500本のオリジナルクラフトビールを配布します。ありきたりなノベルティよりも記憶に残り、ブランドの認知度も上がります。

CASE

事例:自社素材を活かしたOEMで品評会入賞

わかさ生活×クラフトビールOEM.com ブルーベリーサワーエール「ブルブル」のクラフトビールOEM事例

健康食品メーカーのわかさ生活は、自社の主力素材であるブルーベリーを活用し、提携ブルワリーとの共同開発で「ブルブル」(ブルーベリーサワーエール)を製作。「健康食品メーカーが作ったビール」という意外性と、Japan Brewers Cupフルーツビール部門で5位入賞という品質で、大きな話題になりました。「自社の強み×クラフトビール」の組み合わせは、小ロットでもインパクトを生みます。

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③異業種コラボで新市場を開拓

小ロットOEMは、異業種コラボレーションとの相性も抜群です。

CASE

事例:体験型ブランドとのコラボレーション

SAUVENIR×クラフトビールOEM.com「ビールナイトサウナ」のオリジナルクラフトビール製作事例

サウナブランドSAUVENIRが提携ブルワリーと共同開発した「ビールナイトサウナ」は、サウナ後のリラックスタイムに飲みたくなるビールというニッチなコンセプトを小ロットOEMで実現。銭湯でのリリースイベントも同時にプロデュースされており、「ビールを中心にした体験」という新たな市場を切り拓きました。

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CASE

事例:インフルエンサーとのコラボレーション

東京グルメ×クラフトビールOEM.com「THE GOURMET'S BEER」のオリジナルクラフトビール製作事例

SNS総フォロワー250万人超のグルメ系SNSアカウント「東京グルメ」が提携ブルワリーと手がけた「THE GOURMET'S BEER」は、みかんとオレンジピールを掛け合わせたウィートエール。「食に詳しい東京グルメが本気で作ったビール」という特別感や、インフルエンサーならではの影響力により、初回ロットは短期間で完売しました。小ロット製造は、ファンが欲しいものを素早く形にできるというメリットもあります。

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④季節限定・期間限定のフレーバーを展開

季節や期間ごとに異なるフレーバーを200~300本ずつ製造。その希少性や限定感から、「今のうちに買わなければ」という心理が働き、継続的な購買動機に繋がります。

小ロットOEMのよくある失敗パターンと対策

小ロットOEMはメリットが大きい反面、進め方を誤ると思わぬトラブルになる場合があります。よくある失敗パターンと、その対策を事前に知っておくことが大切です。

失敗パターン①:「完成度の低い提案」でOEMメーカーとの齟齬が生じる

よくあるシナリオ:「とりあえず何か作ってみたい」という曖昧な企画で相談。メーカーからの提案がイメージと合わず、何度も修正を入れたことでコストが増え、完成までの期間も伸びてしまう。

対策:事前に「最低限のコンセプト」を設計。ターゲット層や販売チャネル、予算、味わいなどの方向性を決めておく。

失敗パターン②:同じレシピのリピートができない

よくあるシナリオ:初回ロットの200本が好評。同じレシピで500本の追加製造を依頼したら、小ロットのレシピは保管されないことが判明し、改めて一からレシピを設計することに。

対策:初回発注時に、リピート対応の可否やレシピの保管期間を確認しておく。

失敗パターン③:ラベルの表示義務を満たしておらず、印刷後に修正が発生する

よくあるシナリオ:ラベルを自社でデザイン。印刷まで完了した段階でラベルの表示義務を満たしていないことが判明し、修正の費用と手間が発生してしまう。

対策:デザイン制作前に、表示しなければならない項目や禁止されている表現を確認する。基本的にOEMメーカーもサポートしてくれるので、印刷前にデータをチェックしてもらう。

OEMメーカーを選ぶときに確認すべきポイント

オリジナルクラフトビールの小ロットOEMは、パートナーとなるメーカー選びが重要です。依頼する前に、以下のポイントを必ず確認しましょう。

①最小ロットの具体的な製造量

ホームページに「小ロット対応可」とだけ書いてある場合、それが100本なのか、500本なのかは分かりません。問い合わせたうえで最小ロットや単価を具体的に確認しましょう。

②対応範囲

ビールのOEMは、醸造以外のステップも非常に重要です。醸造だけでなく、コンセプトの企画からレシピ設計、ラベルデザイン、販売支援までワンストップ対応してくれるメーカーだと、安心して任せられます。

また、オリジナルビールの販売には、販売対象に応じた免許が必要です。複雑な取得手続きや税務署への相談が発生することもあるため、OEMメーカーを選ぶときには免許取得サポートの有無も確認しましょう。

③追加発注の可否

オリジナルクラフトビールを継続的に販売する可能性が少しでもあるなら、依頼したレシピでの追加発注ができるメーカーを選びましょう。レシピの保存期間や、追加発注時の単価もあわせて確認します。

④醸造クオリティとOEMの実績

OEMの実績や既存商品のクオリティを事前に確認することで、「パートナーとして信頼できるか」「自社のターゲットに合うか」という判断がしやすくなります。

⑤コミュニケーションの取りやすさ

はじめてのビールづくりは分からないことばかりです。不安なく進めるためには、初歩的な質問でも聞きやすく、快く答えてくれるメーカーを選びましょう。質問に対する回答の正確さやレスポンスの早さ、進捗報告の有無も重要です。専任マネージャーがいると、より気軽に相談できます。

まとめ:小ロットOEMはビール事業のスタートライン

大規模な設備投資や人員確保が不要で、気軽に自社のオリジナルクラフトビールを制作できるOEM。小ロットから始めれば、わずか数万円の初期費用でテストマーケティングができ、段階的なスケールアップも可能です。

飲食店の売上アップや地域活性化、自社ブランドの認知拡大など、オリジナルビールは幅広いシーンで活躍します。

オリジナルビールに少しでも興味がある企業や、顧客体験を高めたい企業は、まずはいくつかのOEMメーカーに相談してみてください。サービス内容や対応を比較して、継続的なパートナーになれそうなメーカーを選べば、小ロットOEMがビール事業のスタートラインになるはずです。

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